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デイサービスの費用をわかりやすく解説。1回あたり1,000円から2,000円が目安

介護サービスの中でも関心が高い「デイサービス」について紹介します。特徴、メリット、費用などを網羅的に紹介します。

デイサービス(通所介護)の一回当たりの費用は1,000円から2,000円前後が目安となります。この費用には、(1)施設の利用に必ず支払われる「利用料」、(2)特定のサービスを提供する施設や、一定数以上の有資格者や専門職員がいる施設に支払う「加算」、(3)食事代などの自己負担が含まれます。

利用料と加算は介護保険が適用されるため、利用者の自己負担は介護報酬の概ね1割に抑えられますが、食事代などは全額自己負担となります。
ちなみに、介護報酬とは事業者がサービスを提供した際に得る「収入」のことで、概ね9割を市町村、1割を利用者が支払います。

<目次>
●デイサービスを利用した際に支払う費用
●デイサービスに支払う費用.1「利用料」
●デイサービスに支払う費用.2「加算」
●デイサービスに支払う費用.3「食事代などの全額自己負担分」
●デイサービスの費用の支払い方法
●介護保険サービスは、介護度ごとに限度額が定められている
●デイサービス(通所介護)の利用条件
●デイサービスの軽減制度
●デイサービスを利用するまでの手続き
●デイサービスを選ぶポイント
●デイサービスのメリット
●アズハイムの「共創」の精神
●まとめ

介護は一人で抱え込まない。
介護付きホーム(介護付有料老人ホーム)、デイサービス、ショートステイを提供するアズハイム。
多職種でしっかり対応してまいります。

デイサービスを利用した際に支払う費用

デイサービス(通所介護)を利用する際には、主に以下の3つの費用が発生します。

(1)利用料
(2)加算
(3)食事代など

介護保険サービスが適用される利用料と加算については、利用者の負担は概ね1割です。これは、基本的に介護保険が適用される部分であり、介護を必要とする方々が負担しやすいように設定されています。
しかし、利用者の所得の状況によっては、1割ではなく2割や3割の負担になる場合があります。

次に、サービス利用に際して全額自己負担になる費用があります。これには食事代やおやつ代、必要な日用品のおむつ代や歯ブラシ代などが含まれます。また、各種レクリエーション活動で使用される材料費も利用者の負担となることが多いです。

これらの費用を具体的に理解して準備することは、デイサービスの利用を検討する際の重要なポイントになります。次に、それぞれの費用について紹介していきます。

デイサービスに支払う費用.1「利用料」

施設の利用に当たって誰もが必ず支払う費用が「利用料」です。
介護保険サービスであるため利用者の利用料は介護報酬の概ね1割程度となります。そこで、利用者が支払う利用料を確かめる場合は、デイサービスの事業者の収入となる「介護報酬」を算出し、さらにその1割を求めることになります。

デイサービスの利用料=介護報酬×1割(10%)
介護報酬=「サービスごとの単位数」×「1単位の単価」)×10円

(1)サービスごとの単位数とは
介護保険では、提供するサービスごとに「単位数」が決められています。単位数とは、事業者の収入となる介護報酬を算出するために設けられた数字(単位)で、概ねこれに「10円」を掛けたもの(1単位の単価)が介護報酬となります。

デイサービスの場合、以下の表のように「利用時間」と「要介護度」で単位数が決まっています。例えば、「要介護1」の利用者が「3~4時間未満」で利用する場合、単位数は370となり、これに概ね10円を掛けた3,700円が事業者の収入である「介護報酬」になります。
利用者はこのうち、概ね1割に当たる370円を利用料として支払います。
※デイサービスの「施設規模」によって単位は異なります。

<通常規模型の基本報酬>

<大規模型(Ⅰ)の基本報酬>

<大規模型(Ⅱ)の基本報酬>


<施設規模とは>
デイサービスは、利用者数の規模によって4つに分類されます。
社交性があり積極的に交流を求める性格の高齢者であれば、大規模の施設でも構いませんが、内気で他の利用者と接するのが苦手な性格の場合、少人数のデイサービスを利用するなど、利用者の目的や性格を考慮することも施設選びには重要です。

・地域密着型…月間利用者数300名以下(定員18名以下)
・通常規模型…月間利用者数301名~750名以下
・大規模型(I)…751名~900名以下
・大規模型(II)…900名以上

(2)1単位の単価とは
1単位の単価は、基本的に10円で設定されています。しかし、地域の雇用環境(人件費など)による地域格差を埋める事業者への処置として、サービスを提供する地域に応じ、10円にさらに上乗せした単価を設けています。
1単位の単価は、以下の計算式で求めた「上乗せ分」に10円を足して算出されます。

(サービスごとの人件費の割合)×(地域区分の上乗せ割合)×10円=上乗せ分

「サービスごとの人件費の割合」はサービスごとにあらかじめ決められています。
例えば、訪問介護では70%、訪問リハビリでは55%、短期入所生活介護なら45%となり、一般的なデイサービス(通所介護)は45%となります。

「地域区分の上乗せ割合」も地域ごとにあらかじめ決められています。全国を1級地~7級地、および「その他(地域)」の8つに分類し、それぞれに上乗せ割合が設定されています。例えば、東京都町田市のデイサービスを利用する場合、1単位の単価は以下のようになります。

<東京都町田市の1単位の単価>
1.サービスごとの人件費の割合…45%(一般的なデイサービスの割合)
2.地域区分の上乗せ割合…16%(2級地の割合)
3.上乗せ分の計算
(45%×16%)×10円=7.2円(小数点以下は四捨五入=7円)
4.1単位の単価を出す
10円(基本単価)+7円(上乗せ分)=17円(1単位の単価)

<サービスごとの人件費の割合>

<地域区分の上乗せ割合>
ここでは、一部を紹介します(%は上乗せ割合)。

(1級地)20%
東京都特別区
(2級地)16%
東京都町田市、狛江市、多摩市
神奈川県横浜市、川崎市 ほか
(3級地)15%
埼玉県さいたま市
千葉県千葉市 ほか
(4級地)12%
茨城県牛久市
埼玉県朝霞市 ほか
(5級地)10%
京都府京都市
兵庫県尼崎市 ほか
(6級地)6%
宮城県仙台市
栃木県宇都宮市 ほか
(7級地)3%
北海道札幌市
新潟県新潟市 ほか
(8.その他)0%
その他地域

デイサービスに支払う費用.2「加算」

加算は、サービスの向上を目的に制度化されたもので、一定以上の質が担保されているサービスを提供する施設や、有資格者などの専門性の高い職員(スタッフ)が在籍する施設を評価するものです。
この評価分は、事業者の収入となる介護報酬にプラスされます。これを「加算」といいます。

利用者は加算(項目)ごとに設定された単位数に、概ね10円を掛けわせた費用(介護報酬)の1割を支払うことになります。ただし、掛け合わせる単価(概ね10円)についても利用料と同じく地域の上乗せ分が適用されます。

加算は、施設の利用に際してかかるものと、施設内で提供されるサービスごとにかかるものがあるため、事前に確認をしておく必要があります。加算がある施設は、通常よりも高度なサービスの提供が可能であるということを意味しているため、利用者の状況に応じた高い対応を求めることができます。

<主な加算>
(1)サービス提供体制強化加算(6単位、もしくは18単位、22単位/回)
介護福祉士や介護職員(スタッフ)を増やした施設に対する加算。
(2)個別機能訓練加算(20単位、もしくは56単位、85単位/日)
利用者の機能訓練内容にあわせたサービスを提供する施設に対する加算。
(3)科学的介護推進体制加算(40単位/月)
科学的介護推進体制加算とは「科学的介護情報システム(LIFE)」へデータを提出しフィードバックを受けることで、科学的介護を推進する取り組みを評価する加算。
(4)ADL維持等加算(6単位、もしくは30単位/月)
ADL維持等加算とは、利用者のADLの機能を維持・改善しているかを評価するための加算。
(5)運動器機能向上加算(225単位/月)
理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、看護職員、柔道整復師、はり師またはきゅう師を1名以上配置している施設に対する加算。
(6)その他
その他にも、口腔と栄養状態を確認する「口腔・栄養クリーニング加算(20単位/回、もしくは5単位/回)」、栄養の改善を目的にしたサービス「栄養アセスメント加算(50単位/月)、認知症の利用者に対して高い専門性を有した職員(スタッフ)を配置している「認知症加算(60単位/日)」、適切な入浴の介助を提供する「入浴介助加算(40単位/日、もしくは55単位/日)」などがある。

デイサービスに支払う費用.3「食事代などの全額自己負担分」

昼食やおやつなどの費用については介護保険が適用されず、全額自己負担となります。昼食は500〜1,500円ぐらいが目安となり、おむつや歯ブラシなどの日用品は、利用した場合のみ費用がかかります。ただし、持ち込みが可能な施設もあるため、その分費用を抑えることも可能です。
また、レクリエ―ションなどで使用した折り紙や工作用具なども自己負担となります。さらには、先ほども紹介した通り、宿泊サービスを提供しているデイサービスでは宿泊費も自己負担となります。

加算ではなく「減算」される場合もある

デイサービス施設で提供されるサービスには、質の向上や特定のニーズに応じて加算されるものが多いですが、一部「減算」されるケースもあります。これは、特定のサービスを利用しない、または施設の提供するサービスが基準を満たしていない場合に適用されます。
例えば、施設までの送迎を希望しない場合、施設の介護・看護職員が基準以下の場合などがこれに当たります。

デイサービスの費用の支払い方法

多くの施設では、利用料などの請求書を1ヶ月に1回、利用者に送付しています。この請求書には、その月に受けたサービスの詳細とそれに対する料金が記載されています。

支払い方法には、口座引落、振込、現金払いなどがあります。支払い方法は施設によって異なりますので詳しくは利用される施設にご確認ください。

介護保険サービスは、介護度ごとに限度額が定められている

介護保険サービスでは、利用者の介護度に応じてサービスの限度額が設けられていて、月内でサービス利用が限度額を超えた場合、超えた分については全額自己負担となります。

デイサービスだけでなく、在宅介護サービスやショートステイなど他の介護保険サービスを合わせて利用する際は、全体の利用が限度額を超えないよう注意が必要です。利用計画を立てる際は、ケアマネジャーと相談することをおすすめします。

デイサービス(通所介護)の利用条件

あらためての確認ですが、デイサービスの利用対象者は、要支援1~2および要介護1~5の方となります。要介護認定は、原則として65歳以上の高齢者を対象としていますが、医療保険加入者で「特定疾病」を抱えている場合、40歳以上であれば要介護認定を申請することができます。

要介護認定は、まずコンピュータによる一次判定が行われ、その結果をもとに保健医療福祉の学識経験者が二次判定を行うという2段階のプロセスで進められます。このプロセスにより、要介護1~5が決まります。しかし、要介護の基準に満たない場合は「要支援(1~2)」または「自立」と判定され、受けられる介護サービスが異なってきます。

デイサービスの軽減制度

デイサービスを含む介護保険サービスの利用に際しては、経済的負担を軽減するために以下のような制度が設けられています。

(1)高額介護サービス費制度
(2)社会福祉法人等による低所得者に対する利用者負担軽減制度

高額介護サービス費制度

「高額介護サービス費」は、1か月に支払った介護サービスの自己負担の合計が負担上限額額を超えると、超過分の払い戻しを受け取れる制度です。所得により上限額が決められています。

令和3年8月改定時

社会福祉法人等による低所得者に対する利用者負担軽減制度

社会福祉法人などが運営するデイサービスなどの事業所で、介護保険サービスを利用する際の利用者負担を軽減する制度です。対象は、低所得で生計が困難な方や生活保護受給者となります。また、対象は介護サービス費の自己負担分に加え、食費や居住費(滞在費、宿泊費)にも及びます。
この制度を利用するには、住んでいる市町村への申請が必要になりますが、この制度の利用を申し出ている社会福祉法人にのみ適用されるため、事前に確認をしましょう。

デイサービスを利用するまでの手続き

デイサービスを利用する際には、事前に介護保険制度を利用する手続きを行います。以下の4つの手続きを経て、デイサービスの利用に至ります。

(1)申請を行う
まず、市町村役場の窓口や地域包括支援センターで申請を行い要介護認定をうける必要があります。要介護認定は、市区町村の介護保険窓口で申請できます。この認定により、利用者の介護の必要度が判定され、デイサービスを含む介護サービスの利用が可能になります。

(2)ケアプランの作成
次に、ケアマネジャーに相談して、ケアプランを作成してもらいます。ケアマネジャーは、利用者の状態や希望にもとづいて、最適な介護サービスを計画し、適切な介護サービスの利用を提案します。

(3)デイサービスの施設を見学する
ケアマネジャーの提案を受けながら、実際にデイサービスの施設を見学します。施設の雰囲気や設備、職員の対応を確認し、利用者にとって適切な施設かどうかを判断します。見学時には、サービスの詳細や費用についても確認することが重要です。

(4)申し込みをする
見学後、 担当ケアマネジャーが 施設に申し込みをします。申し込み手続きが完了すると、ケアプランにもとづいて、デイサービスの利用が開始されます。

デイサービス選びのポイント

デイサービスを選ぶ際には、施設の設備や雰囲気、食事、レクリエーション、そしてスタッフの対応やスキルをしっかりと確認することが重要です。そのためには、実際に施設を訪れて見学することが欠かせません。
利用者がその施設に適しているかどうかを判断するために、可能であれば利用者本人と一緒に訪問し、以下のポイントをもとに確認を行いましょう。

1.利用目的
利用目的を明確にしておくことで、その目的に合ったサービスや専門スタッフが備わっているかどうかを確認できます。

2.利用者の性格
利用者の性格に合った対応がされているか、他の利用者との関係を観察して確認しましょう。

3.送迎時間
家族の生活スタイルに合った送迎サービスが提供されているか、特に時間帯を重視して確認することが大切です。

4.衛生状態
施設全体の清潔さ、特にトイレなどの衛生状態を確認し、利用者の健康維持に適した環境かを見極めましょう。

5.スタッフの対応
スタッフが丁寧で親しみやすく、信頼できる対応をしているか、またその経験や専門性についても確認が必要です。

6.食事内容
健康に配慮された食事が提供されているか、メニューのバリエーションも含めてチェックしましょう。

7.入浴やレクリエーション
入浴やレクリエーション、機能訓練などが快適に行われているか、実際の様子を見て確認します。

デイサービスのメリット

介護が必要な高齢者と家族が一時的に別々の時間を持つことで、心身ともに良い影響をもたらします。これにより、高齢者は自分らしさを再確認し、家族は心に余裕を持って高齢者に向き合えるようになります。

デイサービスは身体的な健康の維持だけでなく、家族全員の生活の質を向上させるための施設です。利用できる機会がある場合は、ぜひ前向きにデイサービスの利用を検討してみてください。

アズハイムの「共創」の精神

デイサービスでは、個別アクティビティやカルチャー教室、各種イベントに加え、機能訓練指導員によるリハビリなど、様々なサービスをご用意しています。

アズハイムのデイサービスではご利用者のナラティブ(その方の物語や語り)を理解し、エビデンス(科学的根拠)に基づいたサービスの提供を実践する「共創」の精神で取り組んでいます。
例えば、過去に書道の先生をされていた方であれば、その方が先生となり、ご利用者と一緒に書道を楽しんでいただくことができます。この「共創」の精神を通じて、ご利用者が役割を見つけ、積極的にその役割に携わることで、生きがいを感じてもらい、生活に新たなハリが生まれることを目指しています。

まとめ

デイサービスの費用の内訳は主に「利用料」「加算分」「食事代など」の3つです。一日当たりの費用は概ね1,000円から2,000円で、介護保険サービスの適用を受けることにより、利用料と加算に関しては利用者の自己負担が概ね1割に抑えられます。しかし、食事代やおやつ代、おむつや歯ブラシ代などの日用品は利用者の全額自己負担となります。

高齢者と家族が一時的に離れることで互いに自分の時間を持つことができます。この時間は、高齢者に自立と活力を与え、家族には気持ちに余裕を生み出し、お互いの精神的な健康に良い影響をもたらします。

デイサービスは単に身体的健康を支えるだけでなく、家族全員が幸せで充実した生活を送るための重要な施設となっています。介護が必要な高齢者だけでなく、介護をする家族にとっても、精神的な支えとなる場であり、生活の質を高める手助けとなります。

介護は一人で抱え込まない。
介護付きホーム(介護付有料老人ホーム)、デイサービス、ショートステイを提供するアズハイム。
多職種でしっかり対応してまいります。

<出展>令和6年度介護報酬改定における改定事項について(厚生労働省)

【参考文献】
厚生労働省 老健局「地域区分」
厚生労働省 サービスにかかる利用料 | 介護保険の解説