介護施設(老人ホーム)10種類の特徴と費用・選び方を解説
介護施設は、目的や要介護度に応じて選ぶことが大切です。特徴や費用、提供されるサービスを比較し、最適な施設を選ぶポイントをご紹介します。
介護施設は、民間施設と公的施設の2種類に分類され、要介護度などに応じてさまざまな種類があります。民間では、24時間体制でサービスを提供する「介護付有料老人ホーム」をはじめ「住宅型有料老人ホーム」「サービス付高齢者向け住宅」などがあります。公的施設では費用面でメリットが高い「特別養護老人ホーム」やリハビリを中心とした「介護老人保健施設」、また「介護医療院」などがあります。
今回は、介護施設を検討する際に必要な、施設の特徴や費用などを詳しく紹介します。ぜひご参考ください。
<もくじ>
介護施設の種類と特徴
民間の介護施設の特徴
介護付有料老人ホーム、住宅型有料老人ホーム、サービス付高齢者向け住宅の違い
公的介護施設の特徴
特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、介護医療院、ケアハウスの違い
その他の介護施設
介護施設を選ぶ重要なポイント
介護施設のメリット・デメリット
介護施設の入居までの手順
介護施設の選び方
家族やケアマネジャーとの相談を忘れずに
介護付有料老人ホームを検討するポイント
介護付有料老人ホームのことならアズハイムへご相談ください
アズハイムが提供する料金プラン
まとめ
介護は一人で抱え込まない。
介護付きホーム(介護付有料老人ホーム)、デイサービス、ショートステイを提供するアズハイム。
多職種でしっかり対応してまいります。
介護施設の種類と特徴
介護施設とは、高齢者の生活支援や身体介助が必要な場合に適切な環境を提供するための施設で、「民間施設」と「公的施設」の2つに大別されます。
また、その中でもケアの内容や受け入れ体制、料金などが異なるため、それぞれの施設の特徴を理解することが重要です。
分類 | 施設名 | 特徴 |
民間施設 | 介護付有料老人ホーム | 24時間体制で介護スタッフが常駐し、介護サービスを提供。看護スタッフや、機能訓練指導員の配置が義務付けられており、健康管理やリハビリが可能。 |
住宅型有料老人ホーム | 自立または軽度の要介護者向けで、介護サービスは外部から提供される。自由度が高く、自分に合った介護サービスを選べる。 | |
サービス付高齢者向け住宅 | 自立した高齢者向けの賃貸住宅で、生活支援や安否確認サービスが基本。自由な外出が可能で、必要に応じて外部の介護サービスを利用できる。 | |
健康型有料老人ホーム | 自立した高齢者が入居できる施設で、介護サービスは提供されず、健康管理や趣味活動、レクリエーションが充実している。アクティブな生活を望む方向け。 | |
シニア向け分譲マンション | シニア世代に向けた分譲マンションで、住宅購入型。通常のマンションに近い自由度の高い住まいで、生活支援サービスや緊急時対応サービスがオプションで提供されることが多い。 | |
特別養護老人ホーム | 原則として終身利用が可能で、24時間体制の介護が提供される。医療依存度が高い方は入所が難しいが、看取りも対応でき、長期的な介護が受けられる。 | |
公的施設 | 介護老人保健施設(老健) | 病院から自宅への中間施設として、在宅復帰を目指すリハビリや介護を提供。短期間の利用が前提で、医師が常勤し、看護スタッフや、機能訓練指導員の配置が義務付けられている。 |
介護医療院 | 長期療養が必要な方のための医療ケアと介護の両方を提供する施設。ターミナルケアにも対応し、医師や医療スタッフが充実しているため、医療依存度が高い方に適している。 | |
養護老人ホーム | 経済的理由や家庭環境の問題で自宅での生活が難しい高齢者向けの福祉施設。基本的に自立支援を目的とし、介護サービスは限定的だが、居宅介護サービスは利用可能。 | |
ケアハウス | 自立した高齢者や軽度の要介護者向けの低価格な施設。生活支援が提供されるほか、介護型では一定の介護サービスも利用可能。都市部では「都市型ケアハウス」もある。 |
民間の介護施設の特徴
介護付有料老人ホームや住宅型有料老人ホームなどの一般企業が運営する民間施設は公的施設にくらべ、レクリエーションや生活支援などのサービスが充実しており、専門職員の配置にも柔軟性がある傾向があります。
一方、費用が高額になる場合もありますが、サービス付高齢者向け住宅(サ高住)など、軽度の介護が必要な高齢者が比較的自立した生活を送ることが可能な環境も整えられています。
介護付有料老人ホームの特徴
介護付有料老人ホームは、生活支援から本格的な介護、リハビリ、看護まで、ご入居者の健康状態や介護度に応じた広範なサービスを提供する施設です。
タイプは、介護が必要な方のみが入居できる「介護専用型」と、自立した方と要介護者のどちらも受け入れる「混合型」、さらに少数ですが「自立型」もあります。
介護スタッフが24時間常駐しているため、安心して生活できる環境が整っています。また、施設ごとに設備やサービス内容が異なるため、ニーズに合わせて施設を選ぶことができます。
<入居対象者>
主な対象は、原則65歳以上を対象としており、介護付有料老人ホームでは、要支援1から要介護5までの方が入居可能です。(自立の方も生活サポート費用を支払うことで可能なところもあります。)
<費用>
費用は「入居一時金」と「月額費用」の2つに分かれます。
入居一時金は施設によって0円から数億円まで幅があり、支払い方法もさまざまです。月額費用は居住費や食事などが含まれ、施設により異なりますが、10万円から100万円程度が目安です。
なお、介護サービス費用は要介護度に応じた金額で設定されており、所得に応じて定められた1割から3割の自己負担割合に沿って支払額が決定します。
住宅型有料老人ホームの特徴
住宅型有料老人ホームは、自立した方から軽度の介護が必要な方まで幅広く入居できる施設です。
このタイプの老人ホームは、生活支援や日常を楽しむためのイベントやレクリエーションが充実しており、ご入居者同士の交流も促進しています。施設自体で介護サービスを提供するわけではありませんが、施設内に訪問介護やデイサービスが併設されていることもあり、外部の介護サービスを契約することで、必要なサポートを受けられます。これにより、自由度の高い生活を保ちながら、介護保険を活用して自分に合った介護生活を送ることが可能です。
また、施設の利用料が高額な施設では、ダンススタジオや図書室などが設けられた施設もあります。
<入居対象者>
住宅型有料老人ホームの入居対象は、自立している高齢者や軽度の要介護状態の方が中心です。ただし、要介護度が高くなると施設の対応が難しくなることがあり、住み替えが必要になるケースもあります。基本的に、軽度のサポートで自立した生活を続けたい方に適した施設です。
<費用>
住宅型有料老人ホームでは、入居時に0円から数億円の一時金が必要な場合があります。また、月額費用として10から50万円程度の居住費や食事費用がかかります。さらに、外部の介護サービスを利用する場合には、生活に必要な支援に応じて介護保険費用の自己負担が発生します。
サービス付高齢者向け住宅(サ高住)の特徴
サービス付高齢者向け住宅(サ高住)は、60歳以上の自立した生活が可能な高齢者が安心して暮らせるバリアフリー仕様の賃貸住宅です。
施設によってはスタッフが24時間体制で常駐することもありますが、基本的にはフロントにスタッフが配置されており、安否確認や生活相談サービスを提供しています。
サ高住には「一般型」と「介護型(特定施設認定)」があり、一般型では外部事業者による訪問介護サービスを利用できますが、介護型では施設内で介護職員が介護サービスを提供します。自由に外出や外泊ができるため、自由な生活を望む方に適しています。
<入居対象者>
基本的には、60歳以上の自立した高齢者が対象です。しかし、施設によっては要支援や要介護の方も受け入れており、安心感と自由を両立させた生活を希望する方に向いています。住まいとしての側面が強いため、賃貸住宅と同様に自由度の高い暮らしを楽しむことができます。
<費用>
入居時の初期費用は比較的抑えることができます。また、敷金が0円の施設もあります。月額費用は10万から20万円程度が目安で、必要に応じて光熱費や食費が別途発生するところもあります。介護サービスを利用する場合は、介護度や収入に応じて介護サービスの自己負担額がかかります。
介護付有料老人ホーム、住宅型有料老人ホーム、サービス付高齢者向け住宅の違い
これらの民間施設は混同されがちです。以下に介護付有料老人ホーム、住宅型有料老人ホーム、サービス付高齢者向け住宅の違いをまとめました。
施設 | 特徴 | 入居対象者 | サービス内容 | 費用 |
介護付有料老人ホーム | 24時間介護職員が常駐し、介護サービスを直接提供 | 要介護認定を受けた高齢者 | 生活支援、介護、健康管理 | 月額15から20万円+介護保険自己負担分 |
住宅型有料老人ホーム | 介護サービスは外部契約で、自由な生活をしながら必要なサービスを追加 | 自立または軽度の介護が必要な高齢者 | 生活支援、訪問介護やデイサービスは別途契約 | 月額12から40万円+介護保険自己負担分 |
サービス付高齢者向け住宅 | バリアフリー賃貸住宅で、生活支援と安否確認が基本、介護は外部の在宅サービスを利用 | 自立した高齢者、要支援・要介護者も可 | 安否確認、生活相談、外出・外泊自由 | 月額10から25万円+介護保険自己負担分 |
介護は一人で抱え込まない。
介護付きホーム(介護付有料老人ホーム)、デイサービス、ショートステイを提供するアズハイム。
多職種でしっかり対応してまいります。
公的介護施設の特徴
公的施設には特別養護老人ホーム(特養)、介護老人保健施設(老健)、ケアハウスなどがあります。
これらの施設では、基本的に介護保険が適用されるため、利用料金は比較的抑えられる傾向にあります。ただし、こうした公的施設は「要介護3以上」のように入所条件が求められることがあります。
また、待機者も多く、入所までに時間がかかる場合もあります。特に、特別養護老人ホームは費用面や介護、支援体制でのメリットが大きい施設として人気があります。
特別養護老人ホーム(特養)の特徴
特別養護老人ホーム、通称「特養」は、主に要介護度3以上の高齢者を対象とする施設で、日常的な介護が必要な方に対して終身にわたるケアを提供する施設です。
入所の際の一時金が不要で、基本的に終身で利用ができるため長期的な介護を受けることができます。施設には個室でケアが行える「ユニット型」と、多床室があり、入所者の状況や希望に応じて選択が可能です。また、介護保険を利用して低価格でサービスを受けられるため、費用面での負担が軽減される傾向にありますが、人気が高いために待機期間が長くなることが多いです。
<入所対象者>
特養の入所対象は、原則として要介護度3以上の高齢者です。ただし、家族支援が得られない場合や認知症が進行して生活に支障をきたしているなど、緊急性が認められる特別な事情がある場合には、「特例入所」として要介護1や2の方も入居できる場合があります。
医療依存度が高い場合は入所が難しいこともありますが、基本的には住み慣れた地域で終身まで介護が受けられる施設です。
<費用>
特養では、月額費用は10万から15万円が目安となっており、一般的に入所の際の一時金は不要です。
また、介護保険によって費用が助成されるため、居住費や食費も軽減されることが多く、所得や要介護度に応じた自己負担分の介護サービス費用が発生します。このように、公的支援を受けながら長期間安心して暮らせる施設として、特養は多くの高齢者やその家族にとって利用価値が高い施設です。
介護老人保健施設(老健)の特徴
介護老人保健施設、通称「老健」は、病院からの退院後、在宅生活に戻るまでにリハビリや介護を受けるための一時的な滞在施設です。
リハビリに重点を置いており、理学療法士や作業療法士が常勤し、質の高いリハビリを提供します。老健は、自宅と病院の中間施設と位置づけられ、数ヵ月の滞在を前提としています。医師も平日日中に常勤しているため、医療ケアを受けながらリハビリに専念できる環境が整っています。
<入所対象者>
老健の主な入所対象者は、要介護1から5の方で、在宅復帰を目指している高齢者です。原則として、滞在期間は3ヶ月と定められていますが、状況に応じて継続の判断が3ヶ月ごとに行われます。短期間で在宅復帰を目指す施設であるため、他の介護施設とは目的が異なります。
<費用>
老健の月額費用は、おおよそ10万から15万円が目安です。医師が配置されている分、特別養護老人ホーム(特養)にくらべて費用はやや高めですが、初期費用は不要です。また、所得や要介護度に応じた自己負担額が追加される仕組みです。医療とリハビリを中心に支援を受けながら在宅復帰を目指すため、費用も比較的抑えられた設定となっています。
介護医療院の特徴
介護医療院は、介護と医療の双方が必要な高齢者のための施設で、長期間の療養が必要な方に対応します。
病院や診療所に併設されていることが多く、医療ニーズが高い方へのケアが行える点が特徴です。看取りやターミナルケア等の医療機能にも対応しています。
施設は「介護医療院Ⅰ(医療ケアがより充実)」と「介護医療院Ⅱ(容態が安定している方が対象)」の2種類に分かれており、それぞれの医療ニーズに応じたケアを受けることができます。また、看護スタッフや、基本的に医師や薬剤師、栄養士または栄養管理士などが配置され、医療設備も整っています。
<入所対象者>
主な入居対象は要介護1から5の方で、特に医療ケアが必要な高齢者が利用します。日常的な介護に加え、たん吸引や点滴といった医療的なケアを必要とする方が多く、医療ケアが重要な方に適しています。また、医療的なサポートが長期にわたり必要な場合や、容態が安定しているものの日常的に医療管理が必要な方も入所可能です。
<費用>
費用は特別養護老人ホーム(特養)や介護老人保健施設(老健)と同程度で、月額の食費や居住費はおよそ10万から15万円が目安です。また、要介護度や所得に応じた介護サービスの自己負担分がかかる仕組みとなっています。医療ケアが充実している一方で、個室ではないことが多く、パーティションで仕切られた居住空間などが多く見られます。
ケアハウスの特徴
ケアハウスは、「軽費老人ホーム」の一種で、比較的低価格で利用できる高齢者向けの施設です。
60歳以上の自立している高齢者が、自宅での生活に不安を感じた場合や、家族のサポートが得られない場合に適しています。施設には「一般型(自立型)」と「介護型」の2種類があり、一般型では生活支援サービス(食事の提供や家事サポートなど)を中心に提供します。一方、介護型では、生活支援に加えて介護サービスも利用でき、要介護認定を受けた方のニーズにも応える施設です。都市部には、居住者に限定された「都市型軽費老人ホーム」という形式もあります。
<入居対象者>
入居の主な対象者は、家庭環境や住居事情により自宅での生活が難しいと判断された60歳以上の方です。特に一般型ケアハウスは自立した方を対象としていますが、介護型の場合は原則65歳以上で、要介護1以上の認定を受けていることが条件です。
<費用>
ケアハウスの費用は、一般形の場合が0から30万円が相場となっています。月額の費用は10万から20万円程度です。月額費用には居住費や食費が含まれており、介護が必要な場合は、要介護度と所得に応じた自己負担の介護サービス費用が別途かかります。低価格で利用できることが特徴のため、比較的経済的な負担が少なく済む施設です。
養護老人ホームの特徴
養護老人ホームは、経済的な理由や家庭環境の問題で自宅での生活が困難な高齢者を支援する福祉施設で、社会復帰を目指すことが目的です。
主に、福祉的支援を提供する施設で、他の高齢者施設と異なり、市区町村からの措置により入所が決まります。介護を受けることは原則として想定されていないため、介護サービスは限られていますが、介護保険の居宅サービスを利用することは可能です。
<入所対象者>
主に65歳以上で、経済的に厳しい状況や家庭環境の問題などで自宅での生活が難しい高齢者が対象です。入居は市区町村の審査によって決定され、長期利用はできません。入居後に介護度が上がり、介護が常時必要となった場合は、退去を求められることもあります。
<費用>
養護老人ホームの月額費用は、前年度の収入によって異なり、おおよそ0から十数万円程度です。入所の際の一時金は必要なく、月額費用には主に居住費や食費が含まれます。経済的に厳しい状況の方や生活保護を受けている方、災害被災者などについては費用の減額や免除が適用されることがあります。
特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、介護医療院、ケアハウスの違い
これらの公的施設は混同されがちです。以下に特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、介護医療院、ケアハウスの違いをまとめました。
施設 | 特徴 | 入所対象者 | 費用 |
特別養護老人ホーム | 終身利用可能で、24時間介護体制、看取りも対応可能 | 要介護3以上が基本、特例で要介護1から2も可 | 月額6から15万円+介護サービス費用 |
介護老人保健施設 | 短期間のリハビリ施設、在宅復帰が目的、医師やリハビリスタッフ常駐 | 要介護1から5、在宅復帰を目指す方 | 月額5から17万円+医療・リハビリ費用 |
介護医療院 | 医療と介護が必要な高齢者向け、長期療養やターミナルケアも可能 | 要介護1から5で、医療ケアが必要な方 | 月額5から17万円+医療・介護費用 |
ケアハウス | 「軽費老人ホーム」の一種で、比較的低価格で利用できる高齢者向けの施設。自立型と介護型がある。 | 60歳以上、介護型は65歳以上で要介護1以上 | 初期費用0から30万円程度+月額7から20万円 |
その他の介護施設
いままで紹介した施設以外にも、以下のような施設があります。
健康型有料老人ホーム
健康型有料老人ホームは、介護が不要で自立して生活できる高齢者向けの施設です。レクリエーションや趣味活動が充実しており、日常生活を楽しみたいアクティブな高齢者が多く利用しています。
シニア向け分譲マンション
シニア向け分譲マンションは、バリアフリー設計で自立生活が可能な高齢者向けの住まいです。一般のマンションに介護サービスや生活支援が付随しており、必要なサービスを選択しながら快適な生活が送れるため、定住を希望する方に人気です。
介護施設を選ぶ重要なポイント
介護施設を選ぶ際には、費用や入居条件、要介護度に応じた受け入れ体制、看取り対応の有無など、多くの重要なポイントを考慮する必要があります。高齢者とその家族が安心して暮らせる施設を見つけるために、以下のポイントを確認していきましょう。
高齢者の状態に合った施設を選ぶ
介護施設には、要介護度や自立度に応じて適した種類があります。
例えば、要介護度が高く24時間のサポートが必要な方には「特別養護老人ホーム」や「介護付有料老人ホーム」が適しています。一方で、自立している方や軽度の介護が必要な方には、「住宅型有料老人ホーム」や「サービス付高齢者向け住宅(サ高住)」など、比較的自由度が高い施設が向いています。高齢者の身体状況や介護の必要性に応じて、適切な施設を選びましょう。
費用比較と予算の考え方
介護施設の費用は施設の種類や提供されるサービス内容によって大きく異なります。
費用には月額利用料や食費、医療費などが含まれ、場合によっては一時金や入居金が必要となる施設もあります。まずは、家庭の経済状況と予算を踏まえ、無理なく支払える金額の範囲で選択することが重要です。また、介護保険が適用される範囲を確認し、自己負担を抑えられる施設も選択肢に入れて検討しましょう。
入居条件の確認
施設ごとに入居条件が異なり、年齢や要介護認定の有無などが求められるケースがあります。
例えば、特別養護老人ホームは「要介護3以上」が入所条件とされていることが多く、軽度の介護が必要な方や自立した高齢者が入所するのは難しい場合もあります。ご利用者の現在の状態に適した施設かどうか、また将来的な状況の変化にも対応できるかを確認することが重要です。
要介護度や認知症対応の受け入れ可否
高齢者の状態に応じて必要なケアの内容が異なるため、要介護度や認知症の対応が可能かどうかも施設選びの大切な要素です。
認知症対応型のグループホームのように、少人数で認知症の方をサポートする施設もあれば、通常の老人ホームでは対応が難しい場合もあります。将来的な介護度の進行も視野に入れ、柔軟に受け入れ体制が整っている施設を選ぶことが安心につながります。
看取りの対応が可能な施設か
高齢者の最期を見届ける「看取り」の対応が可能な施設かどうかも重要な選択基準です。
介護施設によっては、緊急時に医療機関と連携し、必要な医療ケアを提供する体制が整っている場合や、看護師が24時間常駐している場合もあります。終末期ケアを希望する家族にとっては、看取りが可能かどうかを事前に確認することで、安心して施設での生活を続けられる環境を整えることができます。
<施設を選ぶポイント>
・介護付有料老人ホーム
24時間介護が必要な方におすすめ。看護スタッフが日中配置されており、介護サービスと健康管理が受けられます。
・住宅型有料老人ホーム
自立生活を基本に、必要な介護サービスを外部から追加できます。自由度が高く、生活スタイルを保ちたい方に最適。
・サービス付高齢者向け住宅
自立した生活ができる方に向けた賃貸住宅。生活支援と安否確認があり、自由に生活したい方に適しています。
・健康型有料老人ホーム
介護は不要でも健康維持やアクティブな暮らしを求める方向け。趣味活動や交流が充実しています。
・シニア向け分譲マンション
住宅購入型の住まいで、独立した生活を維持しつつ、必要な時にサポートを受けられます。
・特別養護老人ホーム
要介護度が高い方向け。24時間体制で終身利用が可能なため、長期的な介護サービスを求める方に最適です。
・介護老人保健施設
在宅復帰を目指すリハビリ施設。短期利用を前提としており、医療ケアとリハビリが必要な方に適しています。
・介護医療院
医療と介護の両方が必要な方向けで、長期療養が可能。終の住処を希望する方に向いています。
・養護老人ホーム
経済的・家庭的な問題で自宅での生活が難しい方向けの福祉施設。福祉的支援を重視し、費用負担が少なく済みます。
介護は一人で抱え込まない。
介護付きホーム(介護付有料老人ホーム)、デイサービス、ショートステイを提供するアズハイム。
多職種でしっかり対応してまいります。
介護施設のメリット・デメリット
介護施設は、高齢者が安心して生活し、必要なサポートを受けられる環境を提供しますが、選択するにあたってはそのメリットとデメリットを理解することが重要です。
施設の特徴に応じた利点と課題を把握し、ご利用者と家族にとって最適な選択を目指しましょう。
<メリット>
(1)24時間体制の介護・生活支援
介護施設によっては、介護スタッフが24時間体制でサポートを提供するため、日常的な介護が必要な高齢者や認知症の方も安心して生活できます。
食事や入浴、排泄などの生活支援に加え、緊急時の対応も充実しており、家族にとっても安心感があります。
(2)リハビリや健康管理のサポート
介護老人保健施設(老健)などでは、専門のリハビリスタッフが機能回復を目指した支援を行い、自宅での生活復帰をサポートします。また、多くの施設で定期的な健康管理や医療機関との連携が整っており、ご入所者の健康維持に努めています。
(3)交流やレクリエーションの充実
施設内では、レクリエーションや趣味活動が定期的に行われるため、高齢者同士の交流が活発に行われ、生活の充実感が得られます。
特に、グループホームなどの少人数制の施設では、家庭的な雰囲気の中で心身の健康を保ちながら生活できます。
<デメリット>
(1)費用が高額になる場合がある
介護施設の中でも特に民間施設は、サービス内容が充実している反面、費用が高額になりがちです。初期費用や月額料金に加え、追加のサービス費用が発生することもあるため、家計への負担が大きくなる可能性があります。
(2)プライバシーが制限されることがある
特別養護老人ホームやグループホームなどでは、共同生活を前提としているため、個室の数が限られたり、共有スペースでの生活が中心となったりします。自宅のような自由な生活が難しい場合もあり、慣れるまで時間がかかることもあります。
(3)入居条件や待機期間がある
公的施設をはじめ、多くの介護施設には入居条件があり、要介護度や年齢によって入居が制限されることがあります。また、人気の施設では待機期間が長くなる場合もあり、希望するタイミングでの入居が難しいケースも見られます。
介護施設の入居までの手順
介護施設に入居する際には、事前の準備や手続きが重要です。希望する施設に円滑に入居するために、以下の手順を参考にしながら進めましょう。
1.介護認定の取得
介護施設の多くは、要介護認定を受けた方が対象となります。
まずは、市区町村の窓口で要介護認定を申請し、調査員による訪問調査と、主治医の意見書に基づいた審査を経て、要介護度が決定されます。この認定結果に応じて、利用できる施設や受けられるサービスの種類が決まります。
2.ケアマネジャーとの相談
要介護認定が認められたら、担当のケアマネジャーと相談し、希望する施設の選定や具体的なサービス内容について計画を立てます。
ケアマネジャーは、ご利用者の状態や希望をもとに最適な施設を提案してくれるため、希望や不安をしっかりと伝えましょう。
3. 施設の見学と比較
入居を希望する施設の候補が決まったら、実際に見学を行い、施設内の設備やサービス内容、職員の対応を確認します。
特に、介護スタッフの常駐状況や、レクリエーションの充実度、食事の提供内容など、生活環境に関わる要素をチェックしましょう。複数の施設を見学し、それぞれの特徴や雰囲気を比較することをおすすめします。
4. 入居申し込みと手続き
入居を希望する施設の候補が決まったら、実際に見学を行い、施設内の設備やサービス内容、職員の対応を確認します。
特に、介護スタッフの常駐状況や、レクリエーションの充実度、食事の提供内容など、生活環境に関わる要素をチェックしましょう。複数の施設を見学し、それぞれの特徴や雰囲気を比較することをおすすめします。
5. 契約と入居準備
入居が決定したら、施設と契約を交わします。
契約内容には、利用料金やサービス内容、施設内でのルールなどが記載されていますので、契約書をよく確認し、不明点があれば施設側に質問しておきましょう。
家族やケアマネジャーとの相談を忘れずに
施設選びは家族だけで決定するのではなく、専門知識を持つケアマネジャーや施設スタッフとも相談しながら進めることが重要です。ケアマネジャーはご入居者本人の状態や家族の希望に応じて適切な施設を提案してくれるため、不安や希望をしっかりと伝え、サポートを受けると安心です。
介護付有料老人ホームを検討するポイント
介護付有料老人ホームは、「介護体制」と「個別に合わせたサポート」が整っている点が大きな魅力です。
一般的な住宅型有料老人ホームやサービス付高齢者向け住宅では、介護が必要な場合、外部サービスを個別に契約することが多いですが、介護付有料老人ホームでは多くの介護サービスが施設内で提供されます。
また、介護付有料老人ホームでは看護スタッフや機能訓練指導員の配置が義務付けられており健康管理やリハビリを必要とする方にも適した環境です。
さらに、介護付有料老人ホームでは、ご入居者同士やスタッフとの交流を深めるさまざまなレクリエーションやアクティビティも用意されています。生活に楽しみを感じ、毎日の暮らしを活き活きと過ごしていただくための取り組みが積極的に行われています。
予算管理がしやすい定額制の費用設定も、ご利用者とそのご家族にとって大きなメリットです。様々な入居条件を考えるときに、「できるだけ自分らしく、でもサポートはしっかり受けたい」という方へはおすすめの施設のひとつになります。
介護付有料老人ホームのことならアズハイムへご相談ください
アズハイムの介護付有料老人ホームは、「やさしい最先端の介護」の提供が特徴です。人の「やさしさ」とIoTの活用を融合し、より質の高いケアを実現しています。また、ご入居者とその家族の意思を尊重し、心のこもったふれあいや精神的サポートに重点を置いています。
快適な住環境の提供と、ご入居者一人ひとりが「自分らしい生活」を送れるようサポートすることを目指しています。老人ホームのことでお悩みなら、お気軽に私たちアズハイムへご相談ください。
アズハイムが提供する料金プラン
豊富な料金プランで、ご入居する高齢者のニーズにあったプランをご提案しています。ぜひ、こちらでご確認ください。
また、年齢などの情報を入力するだけで、入居費用が簡単にシミュレーションできるオンラインツールもご利用いただけます。ぜひお試しください。
介護は一人で抱え込まない。
介護付きホーム(介護付有料老人ホーム)、デイサービス、ショートステイを提供するアズハイム。
多職種でしっかり対応してまいります。
まとめ
介護施設の選択は、大切な家族の生活とケアの質に直結するため、多くの方にとって迷いや不安がともなうものです。しかし、施設ごとの特徴や入居条件、費用の違いなどを理解し、高齢者の状態や家族の希望に沿った選択肢を絞り込むことで、より安心できる決断が可能となります。
まずは、要介護度や生活の自立度、認知症の有無といった要件を確認し、予算に応じた選択を進めていきましょう。また、実際に施設を見学し、設備やスタッフの対応を体感することも重要です。ケアマネジャーや家族と相談しながら進めることで、必要なサポートが得られ、不安が軽減されるはずです。
家族が安心して利用できる環境を見つけることで、ご入居者は安心した生活を送れるだけでなく、家族もサポートの負担が軽減され、家族みんながよりポジティブに日常を過ごせるようになります。
介護施設の種類に関するQ&A
Q1. 介護付有料老人ホームとはどのような施設ですか?
A1. 介護付有料老人ホームは、24時間体制で介護スタッフが常駐し、介護サービスを提供する施設です。看護スタッフや機能訓練指導員の配置が義務付けられて、健康管理やリハビリも可能です。
Q2. 特別養護老人ホームの特徴は何ですか?
A2. 特別養護老人ホーム(特養)は、要介護度が高い高齢者向けの公的施設で、終身利用が可能です。24時間介護体制で看取りにも対応しており、費用が比較的安価であるため人気が高いです。
Q3. サービス付高齢者向け住宅はどのような方に向いていますか?
A3. サービス付高齢者向け住宅は、自立した生活ができる高齢者向けの賃貸住宅で、生活支援や安否確認のサービスが受けられます。比較的自由な生活を望む方に適しています。
Q4. 介護老人保健施設(老健)の役割は何ですか?
A4. 介護老人保健施設は、病院から自宅に戻るための中間的なリハビリ施設で、在宅復帰を目指す高齢者が利用します。短期間の利用が前提で、医療ケアとリハビリの支援が充実しています。
Q5. 養護老人ホームはどのような人が利用できますか?
A5. 養護老人ホームは、経済的や家庭環境の問題で自宅生活が難しい高齢者を支援する福祉施設です。基本的に自立した生活が前提ですが、介護保険の居宅サービスを利用することもできます。
Q6. 健康型有料老人ホームと介護付有料老人ホームの違いは何ですか?
A6. 健康型有料老人ホームは介護が不要で自立した高齢者向けで、健康管理や趣味活動が充実しています。一方、介護付有料老人ホームは、要介護の方に対して24時間体制で介護サービスを提供します。
Q7. 公的施設のメリットは何ですか?
A7. 公的施設は、介護保険が適用されるため、費用が比較的安価で、長期的に利用しやすい点がメリットです。ただし、待機者が多く、要介護度の条件が厳しい場合もあります。
Q8. シニア向け分譲マンションの特徴は何ですか?
A8. シニア向け分譲マンションは、自立した生活ができるシニア向けの住宅購入型施設で、バリアフリー設計が施されています。必要な生活支援や緊急対応サービスがオプションで提供される場合が多いです。
Q9. 特別養護老人ホームに入所できる要件は何ですか?
A9. 特養の入居は原則要介護3以上が対象ですが、特例で要介護1や2でも入所できる場合があります。人気の施設であるため、長い待機期間が発生することが多いです。
Q10. ケアハウスの対象者と費用はどのくらいですか?
A10. ケアハウスは、「軽費老人ホーム」の一種で、比較的低価格で利用できる高齢者向けの施設で生活支援サービスが提供されます。初期費用は0から30万円程度、月額費用は7万~20万円程度で、比較的低価格で利用できる施設です。
介護は一人で抱え込まない。
介護付きホーム(介護付有料老人ホーム)、デイサービス、ショートステイを提供するアズハイム。
多職種でしっかり対応してまいります。